COATING TECHNOLOGYコーティング技術紹介

PVCコーティング(塩ビコーティング)について

PVCコーティング(塩ビコーティング)とは

当社奈良工場にて流動浸漬用パウダーに作り上げた当社オリジナルPVC樹脂のコーティングとなります。
通常PVCコーティング(塩ビコーティング)と聞いて想像するのはディッピング法と呼ばれる軟質PVCゾルの入った槽の中に金属を浸漬する方法ですが、
当社では、独自の製造方法にて流動浸漬用半硬質PVCパウダーを作り出しました。
(※ゾルディッピングは液体、当社の流動浸漬法の場合はパウダーにてコーティングを行う為、大分類としては粉体塗装になります。)
PVCゾルディッピングに比べ非常に高い密着力と耐候性を持った機能性樹脂になります。

【流動浸漬用半硬質PVCパウダー】

【樹脂コンパウンド装置】

【特長】

  • 耐候性に優れる
  • 耐酸性に優れる
  • 密着性に優れる
  • 触感性が良い
  • 食品衛生規格基準に適応
  • 塩ビシート等との溶着性が良好

【使用用途】

排水管、ルーフドレン・臭突管・バルブボックス・養鶏用底網・手摺・リアクターメッキ治具への防食目的・コーティングフェンス・撹拌機のスクリュー等


【当社の強み】

1.半硬質PVC樹脂を使用した流動浸漬の加工は当社以外ありません。
そもそも半硬質PVC樹脂を流動浸漬用パウダーとして製造しているメーカーが無い為、当社奈良工場にてパウダー製造を行っております。
ゾルディッピング法加工でコーティングされたPVCは密着力が弱く、耐候性が悪いという事から屋外での使用は限定的でしたが、
当社のPVCコーティング(塩ビコーティング)は屋外での使用も可能です。

2.大小形状を選ばずコーティングが可能です。
また大阪工場、関東工場ともに製造が可能。

3.自社開発樹脂の為、用途別に樹脂の改良が可能です。
例えばハンドルや手摺等の用途で御使用頂く際に触感性を良くしたいという様な要望があった場合、
当社奈良工場にて発泡PVC樹脂という特別仕様樹脂等を作る事も可能です。
保温性が非常に高く、グリップ性も上がります。
他にも用途に合わせ樹脂の改良が可能です。

PVCコーティング(塩ビコーティング)の特性

軟質PVC(軟質塩ビ)の場合、屋外でそのまま使用すると可塑剤が多く含まれる為、紫外線によりブリードを起こしてしまいますが、当社PVC樹脂(塩ビ樹脂)は半硬質PVC(半硬質塩ビ)で耐候性にも優れた製品となっている為、屋外での使用も可能です。
また金属との密着力もナイロン11同様非常に強く容易に剥離しません。
パウダーから自社製造している為、耐候性を更に上げたい、触感を良くしたい等の要望にもお答えする事が可能です。

PVCコーティング(塩ビコーティング)加工方法

当社では流動浸漬法にてPVCコーティング(塩ビコーティング)を行っております。
色調に就いては当社営業までお問合せ下さい。
※加工法の詳細に関しては加工法名部分をクリックして下さい。

PVCコーティング(塩ビコーティング)加工範囲

大きい物では直径1m×4.0mの流動槽に入る物まで加工が可能です。
大型自動ライン設備も有る為、量産品の加工も対応出来ます。
詳細は当社営業までお問合せ下さい。

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流動浸漬

流動浸漬法は昭和30年前半に西ドイツで開発され、30年代後半に当社にて日本に導入されました。
加工方法は紛体を入れた容器の下部に多孔質の隔壁を設け、その下部より不活性の気体を圧力をかけて注入し、その圧力で隔壁上部の紛体を均一に浮かし、ちょうどその表面をお湯が沸騰しているような状態にします。
これを流動層と呼び、この層にあらかじめ加熱された基材を浸漬することにより均一でタレのないピンホールフリーの膜厚200~500μの美しい塗膜を形成します。

1.脱脂

気化した溶剤槽の中へ基材を投入、基材表面に付着した油脂は液化した溶剤とともに滴下され、除去されます。
(投入された基材はいつもピュアな気化した溶剤と接触します。)

2.ブラスト

スチールグリッドを勢いよく吹き付けることで、基材表面を梨地状にざらつかせます。
錆(さび)・汚れなどを除去し、電気的にも表面を活性化させます。

3.プライマー

コーティング材と基材の両方に相溶性(接着)ある下地材を基材に塗布します。
*注 樹脂によってはプライマー処理はありません。

4.前加熱

基材をコーティング材の融点(溶融温度)以上に加熱します。

5.コーティング

加熱した基材をコーティング材の槽の中へ投入します。均一でタレのないピンホールフリーの塗膜を形成します。
(コーティング塗膜の最表面は未溶解にします。)

6.後加熱

塗膜を再度均一に加熱して表面を美しく仕上げます。樹脂が熱硬化樹脂の場合はキュア(加熱硬化)となります。

7.検査

製品仕様に基づきピンホール検査と膜厚検査、外観検査などを行います。その後、納品仕様に基づき梱包します。

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流浸工業取扱樹脂

樹脂を抗菌性にしたい、耐衝撃性を強化したい、耐候性を強化したい・・・
などのご要望・ご質問がありましたらお気軽にご相談ください。
また、その他の樹脂・色に関しましてもご相談ください。

耐候性 密着力 耐酸性 耐アルカリ性 絶縁性 耐摩耗性 備考
ナイロン11
発砲ナイロン11
流浸工業オリジナル
厚膜樹脂、保温性に優れる
塩ビ
流浸工業オリジナル
厚膜樹脂、保温性に優れる
発泡塩ビ
流浸工業オリジナル
EVOH
流浸工業オリジナル
ポリエチレン(PE)
エポキシ(EPX)
ポリプロピレン(PP)
EVA
樹脂名 特性
ナイロン11 白・灰・黒・青・・etc 低温衝撃性・耐摩耗性・耐薬品性・耐屈曲疲労性・防錆力などに優れています。
また原料がひまし油であるため、環境にもよい樹脂です。
EVOH 白・灰 耐ガスバリア性・耐酸性・耐候性・耐アルカリ性・耐溶剤性などに優れています。
当社と株式会社クラレで、流動浸漬用グレードとして新たに共同開発した樹脂です。
PVC 白・灰・黒・・・etc 電気絶縁性・耐酸性などに優れています。 また当社で混錬・粉砕・造粒を行い可塑剤が極限まで少なく限りなく硬質塩化ビニールに近い樹脂を製造しています。
PE 白・黒・・・etc 耐薬品性・電気絶縁性・・・などに優れています。上記の中では一番安価になります。
他12N・PP・EPX・EVA

※上記評価は弊社研究室試験値に基づくものであり評価を保障するものではありません。

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